今日は。10月満月護摩です。ほとんど雲のない今宵の満月はすばらしい美しさです。
満月に向かって呼吸を整え、青不動のお不動様を観想して、ご自身のお体全体が月の中に一体となるよう感じてください。そして深くご自身の思いを込めて下さい。
今日のお護摩は、ご開帳記念護摩をお勤めしました。
9月18日から12月20日まで、毎日午前11時と、午後2時に、2回づつお勤めして行きます。
お護摩は、門主 慈晃がお勤めしております。
期間中94日間で、約180回は、お勤めすることになると思います。
ご参拝の皆様の諸願成就を願い、一心に青不動様に念じてまいります。
既にご開帳開闢以来、16日を経過いたしましたが、連日大勢の方にご参拝いただいております。
9月26日の「世界不思議発見」にも放映されました。
今回のご開帳で私が一番大切に思っておりますことは、「祈り」です。
このお不動様は約2メートル四方の大作の絹本の掛け軸で、安然という、天台宗の高僧が示した不動十九観という、不動明王はこのように描くという法則に忠実に従っており、例えばカルラという煩悩を食い尽くす鳥が七羽、凄まじく燃え盛る火炎の中に騙し絵として書かれていますが、そのような法則に忠実でありながら、全体は極めて高い芸術的な表現で、さらには絵師の深い信仰を感じます。
平安時代中期、宮中で、国の安泰、皇室の安寧、天変地異を鎮める働きのあるお不動様として、
一流の絵師が精魂込めて描きました。平安時代末に青蓮院が門跡として始まるころ、宮中より、
下賜されたと伝えられています。 現存する平安仏画の中でも類例のない貴重な、そして芸術上至高の
名作といわれる青不動様ですが、約千年に渡って、天皇、親王、あるいは武将、また
ありとあらゆる人に拝され、天台宗の高僧が如法に修法をしてまいりました。
目には見えませんがその祈りの集積が、今、拝するものの心にせまり、芸術の美を越えた迫力となって
拝するものを圧倒いたします。
お不動様は、密教の中心の仏様の大日如来の化身です。
お不動様は、我々の心の中の煩悩、つまり悪い心の働きを焼き尽くし、縛り、切捨てていただく強いお力をお持ちです。
我々はともすると自分さえ良ければと、常にむさぼりが、心を支配しがちです。
世界中を巻き込んだ経済不況もリーマンブラザース始め、アメリカの証券会社のサブプライムローンの
破綻によるわけですが、これは自分の利益のみに奔走した、あくなき欲望の連鎖によるものでありました。
まさにむさぼりの極限といえるものです。
さらに煩悩の中の怒り。これは怒りにまかせれば、最後は国際間の戦争に至ります。無知も同様、相手を理解せず、不信の行きつく先は同様です。
皆様がご参拝いただき、それらの煩悩を焼き尽くし、諸々の願いを成就していただくことが、今回のご開帳の
大きな目的であります。
今回のご開帳では、皆様全員に祈願紙をお渡しして、それに皆さんの願いを書いていただきお不動様の前にお供えして、拝んでいただいています。
私は、お不動様を観賞するのではなく、お不動様に願い、祈っていただこうとの思いで今回のご開帳をお勤めしています。
その思いを込めて、お護摩を、毎日厳修しております。お護摩の始まる前には、毎回、ご参拝者に骨子、以上のようなお話をさせていただいております。
ぜひ青不動様を直にご参拝下さい。そして何か一つ皆様の願いをもってお出でいただきたいと思います。
お待ちしています。
期間中はライトアップも同時に、開催中です。
こちらは、今回ご開帳にちなみ、大幅にデザイン変更をしまして、特別ライトアップとなっています。
ごらんになれば、お分かり頂けますが、今回は一段とすばらしい、ライトアップになっております。
期間中、夜間もお不動様を拝めます。
(同じ拝観料ですので、お得だと思います。)
ご参拝は、紅葉の時期は、相当混雑が予測されます。ごユックリ拝観できる平日の今頃がお勧めです。
また11月、12月のお護摩の中のお話は、おおよそ上記の内容が予想されますので、ブログのほうは、この2回はお休みとさせていただきます。
ぜひ青蓮院を直接お尋ね下さい。
それでは、お護摩でお会いいたしましょう。
ブログを見て知ったとおっしゃて下さればなおうれしいです。
門主 慈晃 拝。
カテゴリ: 門主のお話 | 2009年10月04日 | コメント(7) | No Trackbacks
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