3月護摩のお話し
今夜の満月は残念ながら見れませんね。
京都地方あちらこちらで桜が咲きはじめていますが、今週末から来週がピークでしょう。
大護摩堂建設の東山山頂将軍塚の桜はまだつぼみです。
将軍塚庭園には4年前に青不動ご開帳記念植樹の青不動桜(円山公園の円山桜のDNAをもち双葉から育てた桜です。)、海部桜、三春の桜、等々 随分増えました。開花が楽しみです。
将軍塚庭園は1月1日より、工事のため閉園していますが、桜の時期だけは特別に門を開きます。
京都市内の展望と共にぜひご観賞ください。
皆さんご自身のことでもそうだと思いますが、国の問題でも、どうしようもない難しい問題が多すぎます。
次々に起きることの中でも、私はTTPの問題は本当に大変だと思います。
この問題の根源にあるものは、一言でいえば、江戸時代末期の「黒船」と同じ問題だと思うのです。
黒船とはなにか。日本はアメリカ等から不平等条約を飲まされた。その半植民地の状態から脱却するのに、富国強兵政策。そして日清日露戦争という国力を掛けた戦いに勝って、独立の地位を確保したものの、その延長線から、1930年の日華事変を境に、無謀な孤立無援の道をたどり、原爆2個を見舞われ、アメリカの大きな支配の中に今もあると云わざるを得ないことは周知の事ですね。
国の農業の根幹に触れるTTPの問題、これほどどうしようもないことはないと思います。
どうしたら良いのか、ベストの答案は無いといえます。
いつも私は皆さんのため、お不動様に祈っています。
どうしようもないこと、自分の力ではどうしたら良いか判断できないこと。
とことん考え、悩みに悩み、必死に、そしてまさに寝ても覚めても考えても、答えがでない。
そのような時、私はお不動様に祈ります。
自分を越えた仏様の力に委ねる。全てを投げ出して委ねる。自分を捨てるということと同じかもしれません。信じるものに投入する。その中で 私、私、、、、、の闘いを越えることができます。
TTPの問題もこのようにお不動様に祈り、そして考えました。
私なりに至った所をお話しします。
まず黒船の到来の前に既に日本の農業は行き詰まっていたと思います。
明日の担い手のない高齢者が耕作する農地の面積が何%なのか数字は知りませんがかなりあると思います。
多くの問題を抱えながら抜本的な改善策が講じられないまま、既得権の擁護、農家の保護のため、あらゆる法律や仕組みががんじがらめに構築されてきてしまったと思います。
そのため、競争力を発揮して、如何に安くておいしいお米を作るか、死に物狂いの努力を怠ってきたと思います。
その間海外では、良質で安価な米を大量に生産できるようになって、日本との格差はさらに拡大していったのではないかと思います。
しかしながら、米は日本民族にとり、存続の根幹でもあります。
今全てを解放して、何等の措置も講じなければ、既に衰退している日本の農業は壊滅的に崩壊すると思います。
その時何が起るのか?
私は2つあると思います。
1つは、何時の日か、理由は色々あると思いますが、主要な米供給国が、突然あるいは、段々に日本への輸出を禁じるか、制限することが起きた場合、既に荒廃した農地は即座に元には戻らないと云われています。
そして、米供給国は日本の足元をみて、米の値段を吊り上げてくるでしょう。日本は高い米を買わざるを得ず、場合によってはお金を払っても売ってくれないことの可能性も完全に否定することはできません。
原発でもあれだけの地震、津波を想定していなかったのですから、以上の可能性を否定することはできないと思います。
2つは、耕作されなくなった農地は、都市近郊にあっては、住宅や、商業地、工場等に転用され、過疎の地にあっては放置され、草ぼうぼうの荒地となるでしょう。
山紫水明の国土、人の手が隅々まで行き渡った汗の結晶の大地が荒廃し、豊かな自然や、水源に重大な脅威をもたらすと思います。
そこでどうしたら良いのか。
ベストの答案は無いと思います。
政府や官僚の机上の論理の中のでは、極論すれば、農業のGDPが1%程度だから、その他の産業に多大な恩恵があれば、国全体として、農業に犠牲を払っても、トータルとしては国のためになるという思考だと思います。
しかし私は何としても日本の農業を残さなければと思います。
それでは、そのためにどうしたらよいのか。
お不動様に祈り、一つの方策を思いました。
既にどなたかが提言されているとは思いますが、また総理大臣でもないので、こんな話をしてもはじまらないと云えばそれまでです。
でも「黒船」なんですから、日本人全体で必死に考え、世の中に訴えていきたいです。
このブログも読んでいただいた方が、何か感じて行動に移していただければありがたいです。
私は、まず第一に 全ての規制を撤廃して、だれでも農業に自由に参入できる環境を整え、国の補助を一切必要としない、国際競争力を備えた大規模専業農家(今は6ha以上)農業法人を早急に育成する。出来る限り税制面で優遇する。
第二に 零細農業であっても、兼業農家として、自活できるよう国があらゆる方策をもって支援していく。兼業農家の奨励。生産された農産物は主に自給的に消費される。(国土を守ることが目的)
第三に 上記以外の内外価格差を埋める補助金や、政府買い上げ等の助成は一切行わない。
この中では、やむなく農業をやめる人々がでてくることも止むを得ない。
あくまでも農業に従事する人が、自活し、工夫し、農業が魅力ある仕事として豊かな職場となることが基本。
有名企業に就職する若者が、同じ選択肢の中で農業を選べるような、農業を目指す。
そのような農業に作りかえる。
私は、このような議論を国会の中で、与野党が建設的に語り合うべきと思います。
国会は質問のしっぱなし、政府は官僚の答案の読みっぱなし。
後は政府の委員がかってに決めていく。
ある意味国会は単なる儀式の場。
これでいいのか。
何等かの形で多くの人の想いを表面に出し、解決に導くことができないか。
私は宗教が果たすべき分野と考えています。
黒船 黒船
南無青不動明王。
慈晃 拝
カテゴリ: 門主のお話 | 2013年03月27日 | コメント(2) | No Trackbacks
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