7月護摩のお話し
本当に一ヶ月のたつのが早いです。
今日はとても暑い日になりました。その中をご参拝いただきまして誠にありがとうございました。
将軍塚、東山山頂の大護摩堂建立の事業はいよいよ大詰めの段階ですが、まだ京都市当局と最後の認可をいただくための手続きが難航しています。
ほぼ最終段階に達していたのですが、あたかもまた振り出しに戻るようなご指摘がありました。
行政はもっと市民の側にたって徒に問題を引きずらないで欲しいです。
我々は行政の手の中で「もてあそばれ」ている感じです。
これは地方行政の話ですが、国の許認可でも同じか、もっと深刻なのではないでしょうか。
諸外国と対当に戦っていくために、この行政の必要以上の介入はどれだけ競争力を損なっているか計り知れません。
私は日本人の勤勉性と従順性、忍耐力によって辛うじて、官に従う体制が維持されているのだと思います。
ロシアのモスクワとサンクトペテルブルグへ行って来ました。
サンクトペテルブルグはロシアのモスクワに次ぐ2番目の大都会です。
帝政ロシア皇帝のピョートル大帝が建設した、冬の宮殿が有名なエルミタージュ美術館となっています。所蔵品は400万点。
また郊外の同皇帝夏の宮殿は噴水の巨大な宮殿です。別の場所のエカテリーナ宮殿の壮大さも劣らぬすばらしさでした。
そして都の広大な地域が当時のままに石造りの巨大な教会や建物で埋め尽くされています。
しかもそれらの大部分がドイツ軍の攻撃で破壊され尽くされたのです。
それらの記録写真が展示されていました。
驚くべきことはそれらが全て完全に修復され、元通りに復元されていることです。まだ復元最中のものもあります。
共産革命であっても、帝政ロシア皇帝の遺産を保存修復したんですね。
京都に戻って愕然としました。
あまりにも何も残っていない。
京都はほとんど無傷で終戦を迎えた筈でした。
いま京都は、日本人の自らの手でほとんど全てを破壊してしまったのです。
いま青蓮院が東山山頂に移築再建しようとしている、木造大建築(奈良の大仏殿の横幅約半分)は総工費7億円ですが、彼等の復元再現した建造物群の圧倒的な量と水準の高さと比較すると眩暈がするほど矮小です。
その建物すら、京都府が廃棄処分としていたのです。
ひたすら、レベルの低い経済合理性の考えのもとに。
青蓮院ではまだ不足の資金を勧進中でございます。
どうぞご理解ご協力賜りませんでしょうか。
もしアベノミクスで資金にご余裕がお出来になっていらっしゃる方でございましたら、そのほんの一部でもご寄進いただけませんでしょうか。
お振込み口座名義
みずほ銀行 京都中央支店
普通預金 2118743
(宗)青蓮院門跡 (しょうれんいんもんぜき)
なお本日護摩にご参拝いただいた方々にはこのお話しをしていません。
護摩の皆さんには先月お話しした、医学無用論の本のことを、仏教と医学について私の思いをもう少し詳しくお話ししました。念のため申し添えます。
慈晃九拝。
カテゴリ: 門主のお話 | 2013年07月23日 | コメント(0) | No Trackbacks
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