10月の満月護摩にお参りいただきましてありがとうございます。
今日は皆様に良いお知らせがあります。
去る10月9日、東山山頂の将軍塚に青不動大護摩堂を建立するに当り、京都市の許可の内、最後となっていた風致課の許可が正式に下り、着工が可能となりました。
お堂の名称を、京都東山 青不動 「青龍殿」(せいりゅうでん)と命名いたしました。
青は、青不動さまの青であり、青龍は、青龍、白虎、朱雀、玄武 の青龍で、京の都の東山に当たります。これはまさに将軍塚のあたりになります。また青蓮院の青の意味も込めています。
竣工を来年の9月末、落慶大法要を10月4日に行う予定です。
それから3ヶ月間平成26年12月中頃まで、青不動のご開帳を計画しております。
過去に何度かお話ししていますが、この事業は、戦前の大日本武徳会の京都支部道場の「平安道場」であったものを解体移築して、大護摩堂として保存再生する事業です。
この建物は、奈良の大仏殿の横幅半分ほどの大きさの、木造総ヒノキ造りの大武道場です。
戦後マッカーサー占領後、建物は取り壊しを免れ、京都府の管理下におかれ、京都府警の警察官の柔剣道の道場として長く使用されていました。しかしながら大分以前から雨漏りの手当てが悪く損傷が顕著となり、結局、京都府は破棄処分としてしまったため、保存運動が起きていました。
ところがこの保存運動が暗礁に乗り上げ、縁があり私の方に話が回ってきました。現物を専門の先生と一緒に見たところ、木造大建築の文化財級の建物で、破棄することはあまりにも惜しいと感じました。
またマッカーサーが壊さなかったものを、日本人の手で捨ててよいのか。それも武道というもっとも日本の精神を顕す舞台であったわけで、その精神を踏みにじるものとも思えました。
青蓮院では、本物の青不動さまをおまつりするお堂の建立を、東山山頂の飛び地境内、将軍塚に計画しておりました。
それだけであれば、それほど大きな建物は必要ないのですが、なんとかこの大武道場の建物を護摩堂に活用して保存しなければとの強い思いに至りました。
想像以上に大きな建物で、移築再建には数々の難問題が続出でした。
大きく2つの問題がありました。
1つには建築資金7億円の内、3億円が不足すること。
2つには東山山頂将軍塚の場所が京都市の建築許可取得が殆んど不可能な場所であったこと。
お金については、多くの方に趣旨を説いて不足額3億円の寄進を仰ぐことにいたしました。
営利目的ではないので、銀行からの借り入れが無理なためです。
ご寄進は現在目標の80%まで行っておりますが、いま少しのところですので何卒ご協力の程、お願い申し上げます。
2つめの京都市の許認可が、最大の難関でしたが、平成23年1月、東日本大震災前に2年越しの交渉で、建築許可をいただいたため、直ちに建物の解体、部材の運搬を終了しました。
平成23年には工事にかかれる予定でしたが、許認可の新たな解釈でストップとなり、徒に2年の歳月が流れました。
さらに今年の7月には、景観上の指摘が浮上して6ヶ月に亘って決裁が引き伸ばされたのです。
此の度の10月9日の許認可で、ぎりぎり来年秋の落慶に間に合うことにはなりましたが、突貫工事を強いられることになりました。
京都市は建物保存の趣旨に理解を示していただき、平成23年1月、許可が下りました。
それでも2年の歳月を必要としましたが、その時は本当にありがたいと思いました。
しかし、それから2年6ヶ月。次々に問題を提起され、どうしてこんなにも時間がかかるのか。
私は行政にたいして、やり場のない憤りを抑えることができなくなりました。
最近では2度も、座り込みを覚悟で、担当部署の幹部にお願いにあがりました。
私はこの事業にとりかかった始めから、利害得失を超えて、私がやらなければとの強い思いで取り組んできました。
私がやらなければ、この建物はいずれ破棄されたことでしょう。
私は保存再建は、私の個人的な趣味の問題ではなく、この話をいただいたときから、お不動さまのお導きだと確信しました。
4年6ヶ月の京都市との折衝に、耐えてこれたのもお不動さまのお力です。
しかしながら許認可権を傘に、不許可もありうるという不安感をいだかせながらあまりにも不当な要求が繰り返され、最後には私は限界を超える状況でした。
そのような時もお不動さまに手を合わせ心を鎮めてきました。
そして本当にぎりぎりで間に合ったのは、やはりお不動さまの大きなお力だと思います。
どうか来年10月4日以降、落慶なった「青龍殿」で青不動さまを拝んでいただきたいと思います。
何事も強い成就への願いがあれば、そして青不動さまのお力をいただいて、必ず結実に至る。
この思いを今ほど強く感じることはないと思います。
皆様もそれぞれの願いや、思いをしっかりと青不動さまにお願いし、最善を尽くして頑張って下さい。
慈晃 拝
カテゴリ: 門主のお話 | 2013年10月19日 | コメント(1) | No Trackbacks
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