今日はすばらしい晴天です。お庭の紅葉も一段と美しさを増してきました。
青蓮院の恒例のライトアップの真っ赤な紅葉に続く東山上空に、一際、光を放つ満月、この世のものと思えない美しさと、凄さがあります。(21時)
満月護摩にお参りの初めての方に一寸、何故満月に護摩供をお勤めするのか。改めてお話ししました。
人間の身体の中は水分が半分以上あり、血液、リンパ液が巡っています。
脳の中にさらに集中しています。脳は人としての活動の全てをコントロールしていますが、まだ充分研究は進んでいないのですが、やる気、元気 などの気も脳の総合的な働きによるものです。
月の引力の莫大な力は、干潮、満潮に現われていますが、波打ち際が何十メートル動く訳です。それは、大西洋、太平洋の海水全体が動いている訳です。つまりその尋常ではない力は、東日本大震災の津波どころではない巨大なものです。
その力が人間の身体の中の水分にも及ぼされており、そして血液やリンパ液となって、脳に還流する水分に及ぼされているのです。
つまり脳の働きに、満月の引力がどれほど凄い影響を与えているか計り知れません。
つまり簡単にいえば、満月の時には、人間の気が高まる訳です。新月にも同じ現象が起きます。
その時に護摩供のお勤めをして、一心に祈る。
密教の修法を、多くの高僧が毎日真剣に取り組んで来ましたが、満月や、新月の時は何か違うと感じたのです。
天台宗の最澄に次ぐ高僧であった慈覚大師が蘇悉地経の解説書の中で、満月の護摩供が、極めて成就に至り易いことを説いております。
私はこれを実践の中に取り入れ、もう14年目になります。
満月の日は「気」が高まりますが、悪いほうにも高まるのです。
私はもうだめだとか 何事もうまくいかないとか、私は嫌われているとか、色々と否定的なことを思いますとそちらも強く作用するのです。
つまり青蓮院の満月の護摩供に参拝されて、ご自身の目指す目標に向かって前向きに望んでいただくことがより成就への道に繋がると思って、お勤めしております。
今日は、今月の護摩供から、新しく始めることがあります。
それは、いつも皆さんお唱え頂いている、不動真言に加えて、「ボロン」という真言をお唱えすることにいたしました。
私共のご本尊は熾盛光如来といいますが、大日如来の仏頂尊で、大日如来のさらに崇高な仏様です。一般にお不動さまは大日如来の化身と云われており、皆さんはお不動さまを通して大日如来を拝んでいらっしゃります。
この大日如来をお唱えする真言が、「ボロン」です。
この真言の意味は、「成就」ということになります。
平たく申せば、物ごとがしっかりと、実現していきますように。ということになります。
いままでお唱えするべきだったのですが、考え至りませんでした。
急に今月からというのも変なのですが、思いついた時が吉日ともいいますので始めることにいたしました。
前にも何度もお話ししていますが、ご本尊熾盛光如来は、国の安泰、皇室の安寧、天変地異を鎮する働きをお持ちです。
次々と地震や、台風、等自然の猛威が打ち寄せてまいります。ご本尊のお力で少しでも鎮静しますよう日々祈っておりますが、私はこの仏様を祈ることによって猛威の全てを回避することは無理と思っております。
それでは何故祈るのか。そのお答えは、私はこの仏様を祈ることによって、常にいつ天変地異が起きても対処できる心構えを深く心に刻むことになると考えています。
本箱や、大きな家具が倒れないように、また戸棚の扉が開かないように等、また災害が起きてしまった後への備えとして最低限の物を準備することは当然です。
起きないように祈るのですが、そのことを強く日々祈ると、起きて当たり前だから、その時どうする
かと考えられるようになるのです。
東日本大震災のことを考えれば、原発の設計者や、管理にあたっていた多くの専門家や技術者にこの考えがあったら、今回の事故の原因となった電源を失って冷却装置が働かず、炉心がメルトダウンした事故は防げたはずです。
天変地異を鎮静することを深く祈るとはそのようなことだと思います。
満月に不動真言を唱え、「ボロン」をお唱えする。
貴方ご自身の成就を目指して。
ぜひ青蓮院の護摩供にお参りいただきたいと思います。
慈晃拝
カテゴリ: 門主のお話 | 2013年11月18日 | コメント(0) | No Trackbacks
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