4月護摩のお話し
気持ちの良いすばらしい好天です。今夜の満月はさぞすばらしいことでしょう。昨夜も綺麗でした。
ぜひ今夜は窓を開けて満月を見ながら、お不動さまを感じて願いを込めて下さい。
4月10日晴天に恵まれ、青龍殿の上棟式を行いました。
仏式により、私が導師を勤め工事の全ての関係者の方々の無事を心より強く念じました。
法要を厳修した後、棟梁、大工、関係者と共に、棟に上がり、棟梁達が古来からの伝統的な式を執り行いました。
彼等は衣装を整え、式はとても見ごたえのあるものでした。テレビや、新聞社に連絡すれば良かったと思いました。
下が透けて見える足場をよじ登って、私達も上に上がり、式の後は最上段の棟の上に棟梁達と共に記念写真に納まりました。下では感じなかった風で身体が揺れて足がすくむ思いでしたが、京都市内を一望にすばらしい景観です。
本当に良くここまで漕ぎ着けたな、と感慨無量です。
多くの事がありました。多くの方のご支援、ご協力を得て可能になってきました。
本当にありがたいことです。
お不動さまのお導きだとつくづく思います。
お導きがなければ、途中で諦めていたと思います。
ご寄進も目標まであと一歩のところにまいりました。ありがとうございます。
鴨が卵を温め始めました。八個です。青蓮院の小御所の東の外縁の下、ちょうど池の流れが始まる所です。大分前から「つがい」が仲良く池を泳ぐ姿がありました。
うまく行くといいなと思っていたのです。
もう随分以前に雛が孵ったことがありました。親鳥の後ろを7〜8羽の雛が泳ぐ姿は本当にかわいらしく、その後少ししてから、近所の白川まで一列に並んで巣立っていきました。
雛はこぶしほどの大きさですので、敷き石や障害物を越えて行くのは本当に大変なことで、でも親鳥は横でじっと見守るだけで、決して手助けはしません。
そのことがとても印象に残っています。
新聞社に連絡したら、京都新聞が取材に来られて、その日の夕刊の一面に一列で移動する可愛らしい姿が掲載されました。
無事巣立つまで、カラスや、サギ、いたち、猫などに襲われませんように、皆さん一緒に祈って下さいね。
本題のお話しをします。
少し前に、いつも熱心にお不動さまにお参りされる方が、今日は都合でどうしても来れないからと云われてお参りにこられました。
ご主人さまが、片目が見えなくなって来て、目の手術をやっと終られたそうなのですが、心配で心配でとおっしゃいます。
何故かと伺うと、ご主人は糖尿で、眼球に出血が止まらず、でも今回何とか手術で取り除いたそうですが、糖尿のため、疲れやすく直ぐに寝てしまったり、血糖値が下がって意識が薄れることもある非常に危険な状態なのだそうです。
責任あるお仕事をされており、色々と周りにご迷惑もお掛けしているとのことでした。
食事を控えめにして、運動することを根気良く続けなければいけないのですが、それをご本人も解っていらっしゃるのですが、奥様がいくら云っても聞かないそうなのです。
もともとお酒は飲まれないのですが、ご飯や、お菓子が好きで、どうしても食べ過ぎるそうです。
冷蔵庫を空にしておくと、自分で買ってきて食べてしまうとのこと。
どうしたらよいのでしょう。
私はお不動さまに良く祈って下さい。と申し上げましたが、本当はご本人が来て頂かなければだめです。
お菓子や、ご飯や美味しいものを食べたいと思うことは、誰しも持っています。
生きて行くための強い欲求です。それを仏教では煩悩といいます。
ご飯は身体が健全に働いている時は、血となり肉となり、また活動の源となりますが、一度、歯車が狂ってしまうと、糖尿という悪循環に陥ります。
煩悩を断ち切るのが信仰です。お不動さまの前で強く思う。
糖尿から脱却するため、取り敢えず示されている処方箋は食事療法と運動です。
治るまでは徹底的にやり続けることを、お不動さまの前で強く強く思う。ことなのです。
この思いをどれだけ強く思うことができるか。それが信仰の力、お不動さまの力です。
その力が強ければ煩悩に勝てます。煩悩に勝てれば悪循環の連鎖から脱却できるのです。
ご参拝の皆さんもそれぞれ思いを持って来られていると思いますが、ただ漫然と座っていらっしゃてもお不動さまのお力は頂けません。
しっかりと、何が自分の思いなのか、強く意識していただくことが大切です。
そのことを心がけて今日のお護摩をお勤めをしましょう。
慈晃拝。
カテゴリ: 門主のお話 | 2014年04月15日 | コメント(0) | No Trackbacks
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