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元三大師(がんざんだいし・良源)は第十八代天台座主(てんだいざす、天台宗の最高の位)として天台宗比叡山 中興の祖と崇められ、又「観音様の化身」として数多くの強い霊験を顕され、厄除けの「角大師」や「豆大師」として広く信仰されています。さらには、全国の寺社仏閣で見られる「おみくじ」を日本で初めて考案されたのも、良源上人だと言われております。
元三大師(良源)は、法然上人・親鸞聖人の師であった源信の師であります。
元三大師は「おみくじ」について次の様に説いておられます。
「後世の複雑な社会に処して行く人々の困難を救うために、観音様から戴いた処方箋があります。これを自分の像の前に置き信心をこめて吉凶を占えばその願いに応じて招福を知らしめるであろう」と。是非、信心を込めておみくじを引いてみて下さい。
粟田口から東山トレイルを5分程のぼると、「尊勝院(そんしょういん)」という小さなお堂があります。尊勝院は、青蓮院の北東に位置し、同じく青蓮院の飛地境内である将軍塚へ向かう中腹にある天台宗のお寺です。
尊勝院は、元三大師(良源)をご本尊とするお寺で、「元三大師堂」と呼ばれることもあります。この尊勝院も、青蓮院に属するお寺で、青蓮院の門主が、住職を兼務しております。
尊勝院は、保延年間に陽範阿闍梨が比叡山横川に尊勝坊を開創したことに始まり、その後青蓮院三条白川坊の裏に移されたと伝えられています。応仁の乱により荒廃しましたが、文祿年間に豊臣秀吉によって本堂が再建されたといわれています。大正4年に寺地が現在地へ移転されましたが、その際、建物は本堂のみが移されました。
内陣は極彩色が施されており、桃山時代の趣がよく残されています。小規模ではありますが、古式で上質の建物です。本堂が建つ高台からの見晴らしも素晴らしいです。
尊勝院の庚申尊 〜 大青面金剛尊と三猿 〜
尊勝院は別に青面金剛(しょうめんこんごう)を祀り、京都三庚申(注)のひとつにも挙げられる庚申信仰の霊場です。境内には、「不見、不聞、不言(みざる、きかざる、いわざる)」の三猿の像があります。
(注)京都三庚申…尊勝院、八坂金剛寺、山之内庚申堂
米地蔵尊 〜 元金蔵寺の本尊 〜
元勅願所金蔵寺のご本尊としてまつられていた「米地蔵(よねじぞう)」は、慈覚大師の御作とも、慈覚大師が唐より将来せられた尊像とも伝えられております。平安朝初期の非常に立派な立像の地蔵尊です。米地蔵を拝むとお米に不自由しない、と言われており、古くから一般庶民に親しまれ信仰されております。
尊勝院
京都市東山区粟田口 三条坊町70
075-541-4574