今日は4月に続いてすばらしい天気に恵まれました。1年中でこのような日は数少ないです。
今日の満月が楽しみですね。
今日は何をお話ししましょうか。
今まで出来るだけ毎回違うお話をするように心がけています。
青蓮院では、仏式の結婚式をお受けしています。
最近の若い方々は大変個性的ですね。式はしっかりとやりたい。しかし披露宴はごく内輪の親族さんや、ごく親しい人たちだけが集まって老舗の京料理で食事会をする。
ありきたりのものや、お決まりのものでない、いわば手作りの、自分達だけの、思い出になる結婚式が増えているような気がします。
一つには青蓮院の静かな雰囲気が気に入られているからのようです。
私は、当日ぶっつけ本番で、なにも解らない内に終わってしまってはいけないと思いまして、必ず事前の別の日にご足労願ってお会いし、当日行う結婚式の内容を分かりやすくお話しすることにしています。
ご本人や親族さんを含めて一緒にお誦えする箇所がたくさんあるのですが、表面的にただ単に読んだだけに終わってしまっては意味が無いと思っているからです。
幾つかのことをお誦えする中で、「三帰を授ける」があります。
これは、仏、法、僧の三宝に帰依(きえ)することを、お誓いするのです。
帰依とは、何かと云いますと、深く信じて従っていくことです。
仏様と、仏様の教え、そして僧侶を信じて従っていただくのですが、若い方々に突然このようなことを云っても難しいので次のように、お話ししています。
仏様とは、お釈迦様そして、多くの仏様となる訳ですが、よほど信仰のある方でない限り若い方々に急に、仏様に帰依せよと云われたって困ると思われるでしょう。
仏様とは、もちろん仏教の説いている「悟り」「覚者」であり、めざすべきですが、難しいことです。
そこで若いお二人に云うのですが、お二人にはそれぞれご先祖がいらっしゃる。そしてそのご先祖あっての今がある訳ですが、そのご先祖は皆、成仏していらっしゃる。みな仏様なんですね。ですからそのご先祖を信じて従って行く、ということです。
そしてもう一つ、仏教では、それぞれ一人一人の心の中には仏様がいらっしゃる。ただ人間の場合は、仏様の心も持っていますが、人を憎んだり、うらやんだり、怠けて、楽をして、いい結果をだけ取りたい、といった悪い心も同時に持っています。
どちらかというと悪い部分の方が比率が高い。そこでこのご自分の中にある、仏様の心を信じて、そしてそれに従っていきましょう。とお話しています。
ある学者さんの研究が新聞にでていたのですが、人間の脳の中で、ねたみを感じる部分があるのですが、ある実験で、受験者にねたみを起こす事例を体感させて、脳のその箇所が活動している時に、今度はそのねたみを起こす対象の人等が、何か失敗したり、不幸になったりすることを聞かせますと、どような変化が起こるか。
この実験では、その人の脳の快感を感じる箇所が活発に反応したそうです。つまり人の不幸を喜んでいるんですね。
強弱に個人差はあったそうですが、これは人間の心の働きの避けがたい、どうしようもない部分なんですね。
今日、丁度、私のところに、娘の方のもう直ぐ3歳になる孫の男の子と、息子の方の1歳を過ぎた孫の女の子がいます。
もう孫かわいさでほんとうになんでもOKとなってしまうのですが、見ていると、3歳の男の子の持っている、大切な玩具を、下の女の子が興味を示して使おうとするんです。その時男の子の方は、遠くの方にいてもものすごい速さで戻っていって使わせないように、取り上げるんですね。
3歳ですから、少し物事の良い悪いが分かってきていて、貸して上げなさいね、と云われることは充分理解はできているのですが、絶対に従わないんですね。
つまりこれは人間の本性として持っているものだと思います。
大きくなれば、色々判断ができて、この気持ちを自制することは出来ても、本質にはこの本性を消すことは出来ないんですね。
つまり人の心の中の仏性、すなわち仏様の心は、誰でも持っているんですが、どちらかと云えば力が弱いわけです。安きに流れやすい、怠けたり、少しでも楽な方を選び勝ちです。そちらの誘惑の方が強い。
お不動様にお参りして、護摩のご祈祷に来られる皆さん、是非ご自身の持っていらっしゃる仏様のお心を強く持てるように、お不動様のお力をもらってご自身の諸願成就を目指していただきたいと思います。 慈光 拝。
カテゴリ: 門主のお話 | 2009年05月09日 | No Trackbacks
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