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8月護摩のお話

こんにちは。大変暑い中、お参りいただきまして有難うございました。
8月6日、今日の満月は広島「原爆の日」です。
皆様一緒に、26万人の亡くなられた方々を悼み、世界の平和を祈りましょう。

天台宗では、一昨日8月4日、比叡山にて毎年恒例の諸宗教による、「平和の祈り」を催しました。炎天下で今年も真剣に世界の諸宗教の代表者とともに、争いや戦争のない世界平和を希求して宗教の違いを越え真摯な祈りが捧げられました。

天台宗内の青少年200人が、1人1人平和の願いを込めて折った折鶴を地球を模った大きな透明な球体の中に納めました。

平和の鐘を鳴らし、黙祷と共通のお経を読誦し、メッセージを発信しました。

諸宗教の違いを越えて、世界中に平和を希求する人々の輪を広げて行く地道な努力が大切だと思います。

その強い思いを青少年が次代へ継承していく儀式でもありました。

200人の青少年の貯めたお小遣い2百万円が、ユニセフに寄付されました。

ユニセフの事務局長さんのお話で、スーダンのダルフールでは、内戦で何十万の人が殺され2百万人の難民が生じ、子供達が貧困と飢餓に喘いでいる。内戦の原因は地球温暖化による、水不足によるものとのことです。このお金を役立てたいと云われました。

日本は様々の問題を抱えてはいますが、何百万という単位で飢餓、や貧困によって、身の回りに人が死んで行くという状況ではありません。
スーダンの現実は、想像を越えた理解し難い状況です。

平山郁夫画伯は広島の原爆を中学生の時体験され、そのご体験を、戦後30年初めて絵のテーマに描かれています。「広島生変図」と題されたその大作の右上部に画伯は、青蓮院の青不動明王をイメージして画がかれたそうです。ご本人が言われていますが、画伯は 亡くなられた人々の鎮魂と広島の再生を願うのに、青不動を思い描かれたそうです。

今日この記念の日にあたり、皆さんと一緒に、この青不動のご尊像の前で、私達はご自身の諸願を祈るばかりでなく、この戦争で亡くなられた全ての精霊を悼み、
日頃あまり関心を払うことのない世界の平和と、貧困や、飢餓への救済や、解決への努力を思うことの大切さを念じました。

思うこと、祈ること、念じること、は解決の具体策を欠いたとしても、多くの人々の思いが大きく集まっていけば、何れ大きな力となり現実を変えていくものと信じます。

                  慈晃 拝  

カテゴリ: 門主のお話 | 2009年08月06日 | No Trackbacks

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