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初護摩のお話し

平成26年の初満月の初護摩供をお勤めいたしました。

 新年のお祝詞を申し上げるところですが、父の名誉門主が元旦の早朝に遷化いたいしましたので差し控えさせていただきますが、その折賜りましたご会葬やご弔意に厚く御礼申し上げます。
父は明治43年生まれで、明治、大正、昭和、平成と、激動の一世紀を生きてきました。多くの皆さまのご縁や、お力をいただき長寿を全うできましたこと、本当にありがとうございました。

 今年は青蓮院にとりまして、いよいよ今秋、東山山頂に「青龍殿」を落慶する運びとなり、昨年12月から突貫工事に入っております。
 京都市の建築許可を頂くのに、4年11ヶ月。期間は重なりますが京都府の許可に3年。結局許認可を取得するのに通算で5年11ヶ月の時間を要しました。小学校1年生が中学生になるほどの長い年月でした。
 
 東日本大震災の後処理がなかなか進まないと云われております。
 
 中央、地方を問わず役所の縦割り行政、徹底した責任回避が最大の要因になっていると思います。このことを骨身に染みて味合わされた6年間でした。
 
 文化財といえる木造の大建築を保存しなければとの使命感でここまでやってきましたが、資金の不足する所を、多くの皆さまからご支援ご協力をいただき本当にありがたく思っております。
 
 お蔭様であと一歩のところまでになってまいりました。ありがとうございます。

 平成26年の年頭にあたり、昨年度から比叡山延暦寺が今年の漢字を発表することになりました。私の思いに通じるところですので、ご披露したいと思います。

 今年の延暦寺の新年の漢字は「挑心燈」です。
 
 これは「心にともし火をかかげよう」と読みますが、燈しびとは何かということになります。
 
 およそ3つの意味があります。
 
 その1つは、道心。道を究める心。つまり仏様の悟りへの道を目指す心です。 
 これは非常に難しい道であり、凡人には極めてハードルが高い訳です。
 
 そこで2つ目の意味は、精進努力を惜しまないことを心がけることです。
 つまり、ご自分のお仕事や役割をしっかりと果たす。悔いのない一年でありたいと思います。
 
 3つ目の意味は、いつもお話ししている、慈悲の心だと思います。
 慈悲とは慈しむ、の意味ではなく、人のために自分を捨てて、尽くすことですが、これまたなかなか行うことが難しいことですね。
 だれも、自分が一番可愛くて、自分中心で、自分さえ良ければ良いのですが、少しでも人のために、人のことを考えてあげる。そのように行動することが、どんなにご自分の心の安定に繋がるか、計り知れません。
 他の人のために何がしてあげられるか。少しでも身の回りに実現出来るよう心がけたいと思います。

 それも並大抵の思いではなく、本当に強い心掛けを持ちましょう。との呼びかけです。
 それが挑の意味であります。挑にはいどむ、はねる、といった強い意味があります。

 この一年、どうか皆さまにとって、目指すべき目標に向かい強い思いを燃やし続け、成就にいたる良い年となりますことを強く願い、初護摩のお勤めをいたしました。
 
 ご自分の力の足りない部分はお不動さまのお力によっていただきたい。とかく弱くなりがちな心を。お任せしましょう。

                                               慈晃拝。
  

カテゴリ: 門主のお話 | 2014年01月17日 | No Trackbacks

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